女性が性的興奮を覚えると分泌される膣分泌液は「愛液」とも呼ばれ、セックスやオナニーの際、潤滑油の役割を果たします。
パートナーとのセックスで気持ちよくなるためにも「濡れる」のはとても重要な部分を占めていると言ってもいいでしょう。
しかし、女性のなかには(女性器が)十分に濡れず、「セックスが気持ちよくない」と感じている人も少なくないようです。
そこでこの記事では、「愛液の正体」や「女性の濡れるメカニズム」、また「濡れない原因」やその対処法について解説していきます。

愛液の成分とは…
愛液とは主に血漿で構成され、水分やスクワラン・ピリジン・尿素などなどの成分を含んでいます。
そのほか、以下の成分の割合が高いようです。
スキーン腺液
スキーン腺は膣の上壁に位置していて、スキーン腺液は男性の前立腺で作られる前立腺液と、よく似た成分で構成されています。
色は透明ですが分泌されたスキーン腺液は愛液に混ざるので、乳白色のように見えることもあるようです。
バルトリン腺液
バルトリン腺は膣の左右に1つずつあり、 挿入を助ける潤滑油としてバルトリン腺液を分泌します。
愛液と混ざることで粘度が高くなるため、痛みを伴うことなく挿入できるのです。
子宮頸管粘液
子宮頚管粘液は排卵日前後に多く分泌され、色は乳白色で普段はおりものとして体の外に排出されています。
粘液という名の通り粘度が高いので、ショーツに付くと不快感の原因になってしまうことも。
愛液はどんな役割を果たしている?
セックスのときに分泌される愛液にはどのような役割があるのか気になりますよね。愛液の役割と濡れることによるメリットを確認していきましょう。
挿入がスムーズになる
摩擦があると挿入が難しくなります。
とくに女性が痛みを感じることが多く、愛液の分泌が少なければ セックスを続けられなくなることも。
スムーズに挿入を行うためにも、愛液はたくさん分泌される方がいいですね。
精子を子宮まで導くことができる
精子が含まれている精液は弱アルカリ性のため、 弱酸性の膣内では長く生存することができません。
愛液を分泌することで膣内を弱アルカリ性にするので、精子を子宮まで導くことができます。
愛液は女性の体を守るためのもの
女性のアソコは、エッチな妄想をしたときなど、性的な興奮が高まったとき、「愛液」で濡れていきます。
この「愛液」と呼ばれる分泌液は、膣壁から分泌される「膣液」などからできており、その分泌量には個人差があります。
量が多い場合はセックスの前戯の際、刺激によって「潮吹き」をする場合があります。※「潮」は愛液に尿が混ざったものとも言われます。
女性の興奮が高まるほどに性器が充血していき、愛液の量も増えていきます。そうして、男性器の挿入を受け入れる体勢が整うのです。
女性が濡れるためには、「リラックスすること」と「性的興奮を得ること」が欠かせません。
濡れにくい原因は?身体的要因
「パートナーのことは好きなのに、なかなか濡れない」「興奮しても愛液の分泌量が少ない」と悩んでいる女性も多いでしょう。濡れない原因は、身体にあるかもしれません。
当てはまるものがないか確認していきましょう。
のどが乾いている
パートナーとのイチャイチャも、いい雰囲気になってきた……。
そろそろセックスに――というときに、自分でも「濡れていない」ことに驚いた経験がある女性も、少なくはないようです。
そんなとき、多くは「のどの渇き」を感じていたのだとか。つまり、体内の水分が不足しているため、愛液として体外に排出できなかった、ということ。
パートナーといい雰囲気になったとき、濡れてなくて気まずい……なんてことにならないよう、日ごろから水分補給をこまめにしておきましょう。
疲れている
仕事などで過度に疲れている時や睡眠不足のときは、どうしても濡れにくい傾向にあります。
体が「それどころじゃない……」とSOSを上げている状態と言ってもいいでしょう。
ムリにセックスをしようとせず、十分に休んで、次の機会で楽しめるようにした方がより気持ちいセックスができるはずです。
体が冷えている
女性の体は冷えにとても弱いので、冷え性が濡れにくくなる原因にもなります。
気温が高くなる夏でも、空調の風で体が冷えていることもありますので、普段から体を冷やさないようにしておくと愛液が分泌されやすくなるでしょう。
濡れにくい体質
濡れやすい体質の人もいれば、濡れにくい体質の人もいます。
このような場合は何をしても濡れない人が多いのですが、考えすぎることが余計に愛液の分泌量を少なくしていることもあります。
著しく愛液が少ないときは、ローションを使用するなどの対策も行ってみましょう。
濡れにくい原因は?精神的要因
女性は心と体が密接に関係していて、精神状態がそのまま体に反映されるのはよくあることです。
身体的な問題よりも精神面が原因で濡れにくくなっていることが多いので、以下の要因に当てはまるものがないかチェックしていきましょう。
リラックスできていない
先ほども書いたように、女性が愛液で「濡れる」には、リラックスすることと性的興奮を得ることが必要です。
しかし、久しぶりのセックスで緊張していたり、前戯が不足していたり、気分が乗らなかったりすると、どうしても濡れにくくなるもの。
「濡れない」と悩む女性の多くが、身体的というよりも心理的なストレスのようなものを感じ、気分が乗らないことから、愛液の分泌がすくなくなってしまっているようです。
アロマを焚いたり、好きな料理を食べに行ったり(自分で作るのが好きなら作ったり)……。とにかく「ストレスをなくす」ことを意識しましょう。
セックスのためだけでなく、あなたの心身の健康のためにも、ときにはゆっくりとした時間を過ごせるといいですね。
興奮していない
女性は心や脳の状態が体に反映されるので、興奮していないと濡れにくくなってしまいます。
セックスの始まりのムードがいまいちだったり、集中できずに上の空になっていたりすると興奮状態ではないですので、愛液は分泌されません。
セックスが始まる前に良いムードをつくって、愛撫に集中するなどを心がけましょう。
コンプレックスを抱えている
自分の体に自信がなかったり、濡れないことに対する罪悪感を抱いていたりしませんか?
心理的ストレスがあると脳が緊張状態になり、愛液の分泌量が減ってしまいます。
また、その悩みを1人で抱え込んでいることもストレスになりますので、勇気を出してパートナーに相談することで気持ちが軽くなるでしょう。
濡れないときの対処法
どうしても愛液があまり出てこない(濡れない)ときには、どうすればいいのでしょうか?
対処法をいくつかご紹介します。

パートナーを信用してリラックスする
女性の体はとてもデリケートなので、緊張してしまうと愛液が分泌されにくくなります。
パートナーのことを信用できていないと、自分の体を預けることができなくなりますよね。
リラックスしてセックスに挑むためにも、お互いに信頼関係を築くことが重要になってきます。
水分補給をこまめに行う
体に水分が足りないと愛液が分泌されにくくなってしまうので、こまめに水分補給を行いましょう。
喉が乾いていないと思っていても、意外と体は水分を欲しているときがあります。
水分摂取量の理想は1日に約1.5リットルと言われていますので、気がついた時に少しずつ水分をとるようにしてくださいね。
気持ちいいポイントを伝える
愛撫で気持ちいいと思えていないと、愛液の分泌量も少なくなります。
パートナーが攻めている場所と気持ちいいところがずれているのであれば、プライドを傷つけないように優しく伝えてあげましょう。
筋トレをする
体が冷えてしまうことによって愛液が分泌されにくくなるので、全身の血流を良くすることが大切です。
とはいってもハードな運動を苦手とする女性は多いので、気軽にできる簡単な筋トレをして冷えを改善し、愛液の分泌量を増やしていきましょう。
愛液を知る≒自分の体を知る
できる限り「気持ちいい」と感じられるセックスを楽しむためには、まずはあなた自身の体の声を聴いてあげてください。
心が疲れていないか、体は疲れていないか……。場合によっては、パートナーのテクニックに問題があるのかもしれませんね。
もしもパートナーとの問題であれば、我慢して気持ちいい振りをするのではなく、正直に伝えてみましょう。
伝え方にさえ気を付けて、しっかりと相手を思い遣った声掛けであれば、二人の関係が悪くなることはないはずです。
愛液のメカニズムをはじめとして、あなたの体のことはもちろん、お互いの体を知っていくことこそが、二人とも気持ちいいセックスをするための最大のコツといえるのではないでしょうか。
(オトナの恋カツ編集部)