セックスやオナニーでいわれる「イク」という表現に、「どんな意味?」「良く分からない」と感じる女性は少なくないようです。
本記事ではイク瞬間の感覚にスポットライトを当てて、体験談やイキやすくなる方法をご紹介していきます。
イクってどういうこと?
男性の場合は射精があるためイク瞬間が分かりやすいですが、女性についてはイマイチどんな定義なのか分かりにくいですよね。
女性のイク瞬間には身体でどんなことが起きているのでしょうか?
イク=オーガズム
「イク」という言葉は正確には「オーガズムという状態を迎える」ことを意味します。
オーガズムに達するとそれまで感じていた性的な緊張・高まりから解放されて、強い快感とともに性器周りがビクビクした後、多くの場合は力が抜けます。
イク瞬間には個人差がある
人によってはビクビクとした痙攣ではなく「突き抜ける感覚」「波が走る感覚」と表現する人もいて、シチュエーションや刺激の方法によってイク瞬間は様々。
また、クリトリスへの刺激でイクことを「外イキ」、膣内のGスポットやポルチオへの刺激でイクことを「中イキ」と呼びます。
イク瞬間の感覚ってどんな感じ?
「オーガズム」や「外イキ」「中イキ」などの言葉を聞いても、具体的にどんな感覚になるのかイメージがつかみにくいもの。
そこで、イク瞬間の感覚について女性にインタビューをしてみました。
腰がビクビクした後に脱力した
「気持ちいいのを通り越してむず痒いような……
不思議な感覚を突破した瞬間に、腰がビクビクして快感が走りました。すぐに身体の力が抜けてウットリしたんです」(20代女性/保育士)
こちらの女性はイク瞬間の少し前に身体の異変を感じたようです。そして、理性を取り払って身を任せた瞬間に、オーガズムを迎えて腰がビクビクしたのだとか。
この感覚は腰回りの筋肉が痙攣しているサインです。また、イク瞬間は少し浮遊感も感じられます。
膣がキュッと閉まる感覚がした
「膣がキュッと閉まって、彼のアソコの形や固さをよりしっかりと感じられました。彼も気持ち良かったみたいで嬉しいです」(30代女性/看護師)
イク瞬間はオーガズムにより筋肉が痙攣するだけでなく、膣が収縮する反応も見られます。
男性からすると女性がイク瞬間の締まり具合は、通常時と全く異なるようですよ。
ただし、シチュエーションによってイキ方は異なり、痙攣や収縮が少なく、快感だけがズーンと身体に響き渡ることもあります。
おしっこを漏らす感覚に近かった
「なぜかセックスすると『トイレに行きたい』と感じることが多くて……。
漏らしたかと思ったら気持ち良くなって、あれがイク瞬間の予兆だったのかなと気づきました」(20代女性/塾講師)
セックスの前にトイレを済ませたのに尿意を感じる場合、オーガズムが近づいているサインとも考えられます。
女性には性的な快感をきっかけに尿道から液体が飛び出す「潮吹き」という反応もあり、実は尿意はイク瞬間の予兆かもしれないのです。
気持ち良い波が全身に押し寄せる
「アソコに集中していた気持ち良さが、全身に広がっていくような感覚でした」(20代女性/事務員)
イク瞬間には、クリトリスや膣内で感じていた快感が波のように広がっていくみたい。
実際に触れていない性感帯以外の部分にまで、快感が伝わっていくのです。
しかもその感覚は「何度も押し寄せる」「頂点に達した快感の波が溢れ出す」など、ケースバイケースで色々な表現に変わります。
爆発するように快感が走る
「衝撃的でした。それまで積み重ねた快感が爆発するように一気に大きくなって……。外イキのときは、とくに激しくイキます」(20代女性/受付)
中イキの場合はイク瞬間にじんわりと奥から快感が広がりやすく、外イキの場合は一気に激しい快感が走る傾向にあります。
他にも「花火」「崩壊する」などの言い回しもあり、外イキは男性がイク瞬間の感覚と近いのかもしれません。
クリトリスが性分化したものが男性器なので、イク瞬間に共通点が生まれやすいとも考えられます。
頭が真っ白になってスッキリ感が残る
「クリトリスで外イキすると、頭の中が真っ白になって何も考えられなくなります。あと、中イキのときよりスッキリするんです」(30代女性/販売)
クリトリスによる外イキと、Gスポットやポルチオによる外イキは、身体の反応の仕方や快感の種類が異なります。
外イキは、イク瞬間に強い快感が押し寄せてスッキリとする女性が多いようです。
反対に中イキはじんわりと快感が広がり、力が抜けて「動けない」「ウットリしちゃう」などの感想が目立ちました。
また、外イキするともう一度イケるようになるまで時間がかかりますが、中イキの場合は何度もイクことができたりします。
実際にイケる人ってどのくらいいる?
女性の中には「イク瞬間を経験したことがない」「正直よく分からない」と悩む人も意外と多いようです。
実際にイケる人はどれくらいの割合いるのでしょうか?
イケる人・イケない人の割合
イケる人・イケない人の割合について、過去の調査から、イケる女性は76.7~86%、イク経験が今までにない女性は14~23.3%ほどであるようです。
女性がイキやすくなる年齢はあるの?
また、コスモポリタン・イギリス版によると、避妊アプリ「Natural Cycles」が2017年に公表した2,600人の女性への調査で、興味深い結果が出ています。
「ほぼ毎回絶頂(オーガズム)を迎える」と回答した割合は36歳以上が最も多く、年齢が上がるにつれてセックスへの満足度が上昇していたのです。
このことから、女性は徐々にオーガズムを経験しやすい体に近づいていくのでは……と考えられています。
ではなぜ、歳を経るごとにオーガズムを得やすくなるのか?についてですが、やはり年齢と経験が比例することが第一に挙げられるのではないかと思います。
悩んでいる男女の割合は約24%
続いて、一般社団法人日本家族計画協会家族計画研究センターが実施した調査「【ジェクス】ジャパン・セックスサーベイ2020」を見ていきます。
こちらの調査では全国47都道府県に住む5,029人の男女に対して、セックスに関する質問をしたました。
コンプレックスの有無を尋ねる項目で、以下の結果が出ています。
- 13.9%:オーガズム(男性は射精・女性は絶頂感)に達することができない
- 10.8%:快感が得られない
この数値は回答者全体に対するパーセンテージ。つまり、男女合わせて約24%もの人がセックス中の「快感」や「オーガズム」について悩んでいるんです。
男性がイク瞬間の感覚はどんな感じ?
男性と女性ではイク瞬間の感覚が異なるようです。男性のイク瞬間の快感は数倍から100倍に達するという説もあるほど。
男性にイク瞬間についてインタビューしてみました。
全身に力が入った後に抜ける
「無意識に身体全体に力が入って震えて、その後に一気に力が抜けます」(20代男性/販売)
男性が射精する際にわずかに「プルプルとした震え」を感じたことのある女性はいるのではないでしょうか。
射精する際には無意識に力が入り、その後緊張が解けて脱力する瞬間が訪れるそうです。
射精した途端に落ち着く現象のことを「賢者タイム」とも呼びますよね。
解放感やスッキリ感がある
「イクのを我慢していた分、おしっこする時に近い解放感があります」(20代男性/自営業)
こちらの男性は女性に伝わりやすいように、イク瞬間の感覚をおしっこで例えています。
「早く射精したい」という感覚を我慢していた時ほど、イク瞬間に強い解放感を伴うようですよ。
吸い取られるような感覚
「我慢していたのが解けて、スーッと吸い取られるような感覚を覚えます」(20代男性/学生)
イク瞬間の直前は激しくピストンしながらも射精するのを我慢しています。
射精した瞬間に力が緩み、精液が吸い取られていくような感覚になるのだとか。
脳に衝撃が走りクラクラする
「僕の場合はイク瞬間に脳が突き抜けるような感じがします。そして、イった後は脳が痺れたようにクラクラします」(30代男性/公務員)
性器だけでなく「脳に衝撃・快感が走る」と表現する男性も少なくないようです。そして、射精した後には脳にしばらく衝撃の余韻が残ります。
支配感・征服感を味わう
「彼女には伝えませんが、イク瞬間に『自分の女になった』という感覚が湧き上がります」(20代男性/医療)
男性は本能的により多くの種を残そうとします。
そして、イク瞬間や射精後に女性への支配欲が満たされる心理があるようです。嫉妬心や独占欲が強い男性ほど、この傾向が強いかもしれません。
女性がイケるようになるには?
「イク瞬間が良く分からない……」という感じる女性に向けて、女性がイクための方法をご紹介していきます。
前述したように年齢とともにイキやすさも変わるようなので、焦らずじっくり自分のペースで試してみましょう。
丁寧にじっくり前戯してもらう
男女ではオーガズムを迎えるまでの時間に差があります。
多くの場合、女性の方が時間がかかるといわれており、この差を埋めるためには時間をかけて前戯してもらうことが効果的です。
男性によっては前戯を省略しようとする人もいますが、そうすると「濡れていないから痛い」「全然気持ち良くない」などの原因になります。
また、AVの演出のような強い刺激で前戯をすると、イク瞬間を味わいにくくなるようです。
生理前や排卵日は感じやすい
女性は生理周期に合わせて「感じやすい時期」「感じにくい時期」があります。
個人差はあるのですが、生理前や排卵日(生理が始まった日から約14日後)あたりがイク瞬間を味わいやすいのだとか。
ただし、排卵日に感じやすいのは妊娠しやすいからでもあります。しっかりと避妊を行いながらセックスを楽しみましょう。
リラックスする
イク瞬間の女性のほとんどはリラックスしているため、もし緊張や力みを感じるようなら、無理のない体位やリラックスできる場所を選びましょう。
とはいえ、女性目線では「正常位で足が疲れる」「騎乗位でヘトヘトになる」など悩みもつきものです。
ボディメイクもかねてスクワット・足上げ腹筋などの筋トレをすると効果的。
また、後背位や寝バックなどの体位は女性側が疲れにくいため、イク瞬間を掴むのにおすすめです。
イキやすい体位やシチュエーションを見つける
人によってイキやすい体位・シチュエーションが異なります。
もし今まで似たようなセックスを繰り返している場合、彼に提案して色々と試してみましょう。
膣の構造や角度によって「正常位がイキやすい」「腰の下に枕を置くとイキやすい」「バックがイキやすい」など、イク瞬間が味わいやすい体位がありますよ。
恥ずかしさや不安を取り除く
イク直前に「恥ずかしい」「どうなっちゃうんだろう」と自制心が働いてしまう女性は少なくありません。
おしっこが漏れるような感覚に近いケースもあり、無意識にセーブしたくなるのです。
イク瞬間にはリラックスして身をゆだねることがポイント。もし恥ずかしさや不安が消えない場合は、彼に打ち明けてみると安心できるかもしれません。
オナニーで練習する
セックスでは男性側のタイミングや目線があるため、「リラックスしよう」と思っても少しハードルが高いといえます。
まずはプレッシャーの少ないオナニーで練習して、イク瞬間を掴んでみましょう。
比較的イキやすいのはクリトリスを触って外イキするオナニーです。
外イキになれたら、次は膣内に指を入れて中イキのオナニーしてみましょう。
性感帯は徐々に開発されていくため、最初はイク瞬間が良く分からないとしても焦らなくてOK。少しずつオナニーの習慣を続けることが大切です。
足ピンしてみる
つま先を伸ばす「足ピン」をするとイキやすくなる女性が多いです。
足ピンによって人ももや腰周りに程よい力が入り、イク瞬間に導いてくれるのだとか。
ただし、足ピンは癖になりやすいため、イク瞬間を掴めたら足ピンしないセックス・オナニーに慣れることが重要です。
痛い場合はローションや潤滑ゼリーを使う
女性の体質や慣れによって、膣内に十分に愛液が分泌されないケースがあります。
潤いが足りないままペニスを挿入してピストン運動をすると、ヒリヒリしたり痛みが伴うのです。
イク瞬間が掴めないのは、潤い不足から来る過剰な摩擦が原因かもしれません。
もし痛い場合はローションや潤滑ゼリーを塗って、肌や膣内の負担を和らげましょう。
イク瞬間も過程も楽しもう
イク瞬間が分からないと「イクこと」に気が向いてしまいがち。
しかし、今回ご紹介したように、セックスのオーガズム・快感に悩んでいる人は男女ともに約2.4割もいます。
ぜひイク瞬間だけでなく、その過程も楽しんでみましょう。
セックスの目的は必ずしも快感だけではありません。愛情表現やコミュニケーションがあるセックスなら、例えイク瞬間がなくても心が満たされるはずですよ。
(岡あい/ライター)
(オトナの恋カツ編集部)